弁護士山下江の“納得”法律のプロに聞け!
大昔に借りたままにしていた 借金の請求書が届いた… 【相談者/66歳(男性)】
Q 消費者金融業者から借りたまま十数年間放置していた借金があり、この度、請求書が届きました。遅延損害金が付いてかなりの金額になって、途方に暮れています。
A 借金を放置してしまったのは良くないですね。払えなくなった段階で弁護士に相談していただければ、任意整理や自己破産、個人再生などの方法で債務をきちんと整理ができたと思います。
とは言え、いろいろな事情で借金を放置してしまい、何年もたって多額の請求を受けた、という相談は良く受けます。このような場合も、すぐに業者に連絡はせず、まずは弁護士に相談いただきたいですね。
Q 相談してどうにかなるものですか。借金が残っているのは間違いがないのですが。
A ご相談のケースは、「消滅時効」という法律上の制度を使って借金を無しにできる可能性があります。消滅時効は、一定期間、消費者金融業者が権利行使をしていないなどの条件がそろったときに使えるようになります。消費者金融業者が会社なら5年間、新たな借り入れ・返済がないなら、消滅時効を使える可能性が高いです。
Q では、今回届いた請求書は放っておいても良いのですね。
A 少し注意が必要です。消滅時効で借金を無しにするには、期間経過だけでは足りず、「援用」と言って「消滅時効の効果を使います」という意思を明確にする作業が必要です。これをしないといつまでも借金は残ったままですし、この状態で、業者に対して借金の一部でも支払いをしたり支払い猶予を求めたりしてしまうと、消滅時効が使えなくなってしまいます。
この際きちんと「援用」をすることをお勧めします。形に残しておくため、配達証明付きの内容証明郵便で消滅時効の援用の手紙を送るのが良いでしょう。
弁護士 松浦亮介さん
広島弁護士会所属
広島市中区 山下江(やましたこう)法律事務所
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提供:広島リビング新聞社
(「リビングひろしま」2018年3月24日号掲載)

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