弁護士山下江の“納得”法律のプロに聞け!
離婚のときの財産分与の割合は? 【相談者/35歳(女性)】
Q 夫と離婚を考えています。私の貯金はどうなるのでしょうか。
A 離婚の際には、夫婦の財産を清算する必要が出てきます。夫も妻もそれぞれ財産分与を求めることができます。財産分与というのは、夫婦二人で結婚後に築き上げたプラスの財産から、住宅ローンなどのマイナスの財産を差し引きして、プラスの部分を半分に分ける制度です。財産分与をすることになれば、あなたの貯金も財産分与の中で清算することになります。
Q 裁判所で分け方を決めるのでしょうか。
A お二人の話し合いがまとまるのであれば、どのように決めても構いません。まとまらないときには、家庭裁判所で調停の中で話し合ったり、審判手続きの中で裁判官に決めてもらうことになります。
Q 夫は浪費家で結婚してからほとんど預金は増えていません。私は節約してきたので結婚してから300万円預貯金が増えています。
A 話し合いで決まらずに裁判官に決めてもらう場合、その300万円を150万円ずつに分けることになる可能性が高いと思います。家庭裁判所には当事者の寄与度を平等なものと考える2分の1ルールが定着しています。事情次第では2分の1としない場合もあり、実際に2分の1としなかった例もあります。しかし、実際には簡単には例外は認められないと思っておいた方がよさそうです。
Q 私は節約していたのに納得できません。何かできることはありませんか。
A 財産分与は、通常は別居開始時の財産を基準とします。別居した後に貯まった預金は財産分与の対象から外れます。離婚を真剣に考えているのであれば、財産分与対策としては別居を急ぐのがよいのかもしれません。
弁護士 加藤 泰さん
広島弁護士会所属
広島市中区 山下江(やましたこう)法律事務所
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提供:広島リビング新聞社
(「リビングひろしま」2018年1月20日号掲載)