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【サンフレ 男気の証明】 サンフレッチェ広島の選手を 「リビングひろしま編集部」がインタビューします! 【記事一覧を見る】

【Vol.28】 中林洋次選手 【背番号34・GK】

 33節でJ1残留を決めたサンフレッチェ。夏場の苦しいときに、正GKとしてゴールを守った中林選手の活躍は残留に大きく貢献しました
 
中林洋次選手 【背番号34・GK】|リビングひろしま
中林洋次選手 【背番号34・GK】
 
 
 7月まで波に乗れない状況が続き、さらに林選手の手術もあって、夏場の苦しいときに正GKとして活躍した中林洋次選手。「チームは気持ち的に追い込まれ必死でした。自分ももがいた1年間でした」 お盆を過ぎたころから失点が減り、サンフレッチェらしい試合が見られるように。「守備がクリアになり負けない粘り強さも戻ってきました」と振り返ります。GKを使ったポゼッションが特長のサンフレッチェにとって、残留の要因に中林選手の活躍は見逃せません。ただ10月21日の川崎戦に話が及ぶと、「止めた球を沈められた悔しさはありますが、今までやってきたことが随所で表現できた試合でもありました」と、反省と手応えを語ります。

 今季、6年ぶりにファジアーノ岡山から復帰。岡山では守護神として活躍していただけに、このたびの移籍は、相当迷ったそうです。「岡山でJ1昇格を目指すか、J1のサンフレッチェでプレーするか…どちらの選択が、より僕を高く成長させられるか、それが決め手となりました」と、当時の心境を明かします。

 「GKは、審判がゴールと認めた瞬間、気持ちを切り替えなければいけません。しかし、応援している家族にとっては、つらい瞬間です。でも一緒に戦ってくれる感覚で、スタジアムで応援してくれています」とにっこり。来季のことを聞くと、「より長くピッチに立ちたいですし、もっとチームの勝利に貢献したいです」と返答。意思疎通や共通理解を深め、一番後ろから声を掛け続けて、失点の少ないサンフレッチェを取り戻したいと話します。
 
 

WEB オリジナル

 33節でJ1残留を決めたサンフレッチェ。夏場の苦しい時に、正GKとしてゴールを守った中林選手の活躍は、残留に大きく貢献しました
 

残留を決めた背景には、GKを含め守備を徹底したこと

編集部

J1残留おめでとうございます。今日の練習の様子を見ると、固さが抜けたように思いましたが…
 

中林

やはり「降格」という目には見えないプレッシャーがあり、気持ち的に追い込まれていました。先日のホームの試合で、残留を決められたのはよかったです。残留が決まるまでは、チームとして結果を出さなきゃいけない一方で、やりたいサッカーと、やらなければならないサッカーがあります。チームとして状況を理解し、なりふりかまわずにやってきた部分はあるといます。ただし心のどこかで、「もっとこうしたい。ああしたい」という思いがあったと思います。今は、プレッシャーから解放され、自分の思いをピッチで表現したいですね。
 

編集部

7月1日から10月21日までの14試合を振り返ってお聞きします。夏場の苦しい時に、正GKとして活躍しました。残留できた要因には、このときの中林選手の活躍があったと思いますが、いかがですか。
 

中林

監督が代わり、チームとして「守備」の仕方をはっきりさせたところから、負けないというか、粘り強い戦いができたことが、残留に大きくつながったと思っています。
 

編集部

特にお盆以降は失点が減り、だんだんとチームが良くなっていきましたね。
 

中林

改めて監督が守備を徹底することを示したことで、チームとしてクリアになったと思います。スムーズに短期間で方向性を示していただいたので、選手としてはそれに従ってやるだけですから…。どうにかしたいという思いが選手たちには強かったですし、その中でしっかりやらなきゃいけないというのが、チームとして共通理解できたのではないでしょうか。
 

編集部

今年、良い試合として記憶に残っている試合はありますか。
 

中林

今年は、全ての試合に必死でした。僕も移籍してきて1年目で自分の立ち位置を見つけたかったですし、もがいた1年でした。
 

編集部

一方、10月21日の川崎フロンターレ戦は、ゴール前ではじいたボールをねじ込まれ、先制点を奪われました。あのプレーに悔いが残りましたね。
 

中林

あの先制点は、僕自身のミスなので悔しいです。しかしそれ以外は、90分間を通して、それまで自分がやってきたものがしっかりできていたと思っています。あの一瞬のプレー以外は…。かなりクオリティーは高かったので、ある意味ベストゲーム。しかしある意味ワーストゲームでした。一概に悔いだけが残るゲームとは言えないと思っています。
 

編集部

いらだちなど、心の葛藤はすぐに切り替えられましたか。
 

中林

そうですね、基本的には審判がゴールと認めた瞬間に切り替えられました。GKは、「失点を気にしてくよくよしないこと」といつも言われています。
 
 

編集部

特にGKとして、自分が大切にされたことは何ですか。
 

中林

自信を失わないことです。自分の強みとして持っているものを見失わずに、それをいかにチームのために発揮するか、僕が何をすればいいのかを考えることです。僕の強みはシュートを止めることですし、気持ちを前面に出してプレーすること。GKなので、「ああしろ、こうしろ」とは言いますけど、口でどうこう言うだけではなくて、僕のアグレッシブな姿で、周りに火をつけていければいいなと思います。
 
Ⓒ2017S.FC
 
 
 
 

「まだまだ自分を高めたい」それが移籍の決め手

編集部

6年ぶりにサンフレッチェに戻ってきました。ファジアーノ岡山では守護神として活躍されていただけに、相当迷われたのではありませんか。
 

中林

非常に迷いました。いろいろな思いもありました。さまざまな人から声も掛けてもらいました。環境とレベルと、僕のチャレンジしたい気持ち、両方のクラブにありました。もし、ファジアーノ岡山にいれば、J1昇格を目指していましたし、サンフレッチェ広島に移籍すれば、J1でチャレンジできます。最後の決め手になったのは、「よりどちらが、僕が高く成長できるか」だったのです。それで、サンフレッチェ広島に戻ってきました。
 

編集部

サンフレッチェ広島は、失点の少ないチーム。2015年の年間失点数は30点でした。今季、なぜここまで苦戦したか、GKから見て感じたことはありますか。
 

中林

難しい質問ですね。失点に関しては、ちょっとしたことで失点につながることが多いものです。ファンの皆さんが思っているような違和感を、僕ら選手も同じように持っています。それはコミュニケーションや意思疎通、共通理解の不足が原因だったりするのですが…。それができると、失点は減ってきますし、それが徹底している年は、上位が狙えると思います。少しでも歯車が狂うような、アンラッキーに近いようなことが重なると、今季のようなことになると思います。でも、修正力をもたないといけないですね。今後の課題です。
 
 

編集部

J2でプレーする厳しさ、また控えのGKとしてスタンバイするつらさはありますか。
 

中林

J2だと、リーグ戦で大きい連戦が年に3、4回あります。また地方のクラブが多いので、連戦では移動を含めると大変です。また控え選手としての心構えは、チームのために戦うというのを心掛けるだけです。選手であれば、全員試合には出たいわけですから…。日ごろの練習で自分の力をアピールするだけです。
 
 

身近に、プロになるための環境があったことが幸運

編集部

サッカーはいつから始めましたか。 
 

中林

幼稚園に入園してすぐですね。4歳ぐらいですかね。幼稚園にしては大きい園庭があり、その幼稚園がサッカークラブを持っていました。
 

編集部

プロを意識したのはいつですか。
 

中林

横浜出身なので、身近にマリノス、フリューゲルスという2つのクラブがありました。仲のいい友達のお父さんとかに、試合へ連れて行ってもらったりしました。身近にプロリーグがある環境だったので、なんとなく刺激は受けていました。また、フリューゲルスの人工芝のグラウンドが、家の近くにあって、それも刺激になりましたね。サッカーが上手い子はそこに集まっていましたから。小学校4年生ぐらいになると上手い子は、ジュニアユースにいって、同じチームメイトの子が通っていました。僕は、そこのスクールに週に1回申し込んで練習させてもらっていました。
 

編集部

ゴールキーパーはいつから?
 

中林

幼稚園や小学校低学年では、フィールドプレーヤーでした。左利きだったので、左サイドをやっていました。小学校4年生のとき、GKをしたいと自分で言って、それから試合では、GKをするようになりました。
 

編集部

GKのだいごみとは何ですか。
 

中林

やっぱり、シュートを止めることでしょう。僕が小さいころ、自分がGKになっているとき、シュートを止めるのが得意だと感じました。相手が狙いすましてボールを蹴って、僕がゴールを阻止したり、ボールに触ったりしたことで、悔しがっている姿を見ると喜びを感じますね。
 
 

お父さんがJリーガーだと分かるまで、頑張り続けたい

編集部

家族の支えは大きいのではありませんか。
 

中林

家族は本当に大変だと思います。GKは、どうしても失点に絡んでしまうので、それを見るのがつらいと言われます。うちの妻は、僕と一緒に戦ってくれる感覚で、毎試合スタジアムで応援してくれます。
 
 

編集部

4歳のお子さんがいますが、サッカーをしたいと言いますか 
 

中林

子どもはサッカーに興味はないですね。何かと「パパ」と言ってくれる時期なので、デレデレですね(笑)。寝る前は必ず本を読みます。家にいるときは、読み聞かせをしています。僕の癒やしにもなっています(笑)。娘は、僕がサッカーをやっているというのは分かっていると思いますが、僕が試合に出場している姿を記憶しているかどうか、それは分からないですね。試合に出ている姿を記憶してくれるまで、父親として頑張りたいですね(笑)。
 

編集部

来季に向けての決意を聞かせてください
 

中林

より長くピッチに立ちたいです。もっと勝利に貢献したいという気持ちが強くなりました。「まだまだできる」と思いますし、成長していきたいです。その思いを示すには、ピッチに立つしかないと思っています。チーム内で競争となるでしょう。大変ですけど、それに挑み続けることが、自分の力にもなると思います。「ピッチに立つこと」をしっかりと目標にしていきたいです。
 
Ⓒ2017S.FC
 
 
 
 

読者の皆さんからの質問

編集部

ゲン担ぎ・ルーティーンは?
 

中林

特にないのですが、几帳面な性格なのでスパイクのヒモがねじれるのは嫌いですね。毎回きっちりして、練習中はしないんですけど、試合のときは必ずヒモを中に入れます。
 

MOMOさん

趣味や特技は? 休日の過ごし方は?
 

中林

たまに料理を作りますよ。趣味というほどではないのですが…。妻もおいしいと言ってくれています。レパートリーは多くはないですが、シンプルに、ギョーザとか作ったり…。妻の誕生日に料理を作ったら、とても喜んでくれましたね。 
 

編集部

背番号34番、この数字に愛着は?
 

中林

特別な思いがあるわけではありませんが、以前付けていた番号ですし、サンフレッチェは、期限付きで移籍した選手が付けていた番号は残しておくことが多いのです。僕自身、サンフレッチェ広島を離れる時は、迷いがありましたし…。このたび、同じ番号を付けることでその思いを継続して、新たにチャレンジできたらいいと思いました。同じ番号もいいんじゃないかと思っています。
 

編集部

中林選手にとっての今季の3大ニュースとは?
 

中林

全然ないですし、思い浮かばないです。そう言えばシーズン中に丸刈りしたことかな。そうそう、ヒゲを生やしましたね。僕はあんまりヒゲが生えないんですよ。外国人はスキンヘッドや丸刈りにしてもカッコいいのに、なぜ僕はそうじゃないのだろうと妻と話をした結果、「ヒゲを生やしてみようか」ということになって…。三つ目は、子どもに今年に入って読み聞かせをすぎて(笑)、暗記する程うまくなったことですかね。
 
 

動画


 

PROFILE プロフィル  中林洋次選手 【背番号34・GK】

1986年4月28日生、横浜市出身。サッカーは4歳から始め、GKは小4のときから。GKのだいごみは、「相手が狙いすまして蹴ったボールを止めた瞬間の喜び」とか。験担ぎは、スパイクのヒモがねじれないようにし、スパイクの中に入れること。プレーのモットーは、気持ちを前面に出して、周りに火をつけること。趣味は料理で、特にギョーザは、妻もおいしいと太鼓判。 
 
【今年の3大ニュース】
「丸刈りにしたこと。印象が薄いので妻に相談してヒゲを生やしたこと。子どもへの読み聞かせがうまくなったことかな…」
 
 
 
  
 
提供:広島リビング新聞社
(「リビングひろしま」2017年12月16日号掲載)
 
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