【Vol.6】 Kazuhiko Chiba 千葉 和彦 選手 【背番号5・DF】
「強烈な高校時代が自分を鍛えあげた」と語る千葉和彦選手。ひょうきんな姿の裏には、自身を追い込むストイックなまでの姿が…

Kazuhiko Chiba 千葉 和彦選手 【背番号5・DF】
第2ステージが残り2試合となり、優勝の呼び声が高いサンフレッチェ広島。千葉選手の今の心境を伺うと、「目標は、チャンピオンシップで勝つこと。ステージ優勝はその途中で、楽観視はしていません」と力強いコメント。年間優勝チームになってこそ、皆で喜び合えると語ります。
千葉選手は、守備の砦(とりで)と言われるセンターバック。現在、チーム失点数が30と、J1リーグ内で最少の1位。「僕はあまり守備が好きじゃないし…」と、ユーモア―たっぷりの発言の真意は、「守備は攻撃の起点。止めることは僕の仕事だけど、止めてからの次のプレーも大事にしています」。失点数の少なさは、森保監督の考えがチーム内にしっかり浸透し、実践できている証しだと誇ります。
天性の明るさを持ち、ムードメーカーの千葉選手ですが、そのサッカー人生は、決して平坦なものではありませんでした。高校卒業後、サッカーで身を立てようと決意しますが、Jリーグからの誘いはなし。「諦めたくない。おれにはサッカーしかない」と、大学への進学をあえて拒否し、プロを目指してオランダへ渡ります。「こんな経験は、誰でもできるわけではないので、いわば自分は逆エリートかも?」と、苦行さえも笑い飛ばします。
千葉選手の強さのルーツを尋ねると、少し思案しながらも、「やっぱり高校時代の過酷な寮生活でしょうね」とポツリ。当時の監督は、“人として一流になれ”と、厳しく指導。理不尽だと感じることもありましたが、今になって監督の気持ちが分かり、心から感謝しているそうです。日々、“人が見ていないところで、格好良くあれ”と自分に言いきかせ、実践しています。

決めポーズをお願いすると、「じゃ、五郎丸ポーズで…」と率先してカメラの前で演じてくれました。数枚シャッターを切りましたが、結局どれも“浣腸ポーズ”にしか見えないのはなぜ?

昨年12月に結婚して、生活の変化を伺うと、「喜びや悔しさ、悲しみなど、共有してくれる人がいるのはいいですね」と照れ笑い。“ハートポーズ”のときの表情が、一番、千葉選手らしかったです
PROFILE プロフィル 千葉 和彦 選手 【背番号5・DF】
1985年6月21日生まれの30歳、北海道出身。2012年アルビレックス新潟から移籍。今年5月、クラブJ1通算1000ゴール目を決める。サンフレッチェ劇場の総支配人的存在。試合直前の集合写真で、スーと抜けることが験担ぎだとか。
昨年12月に結婚。「妻の前では弱音を見せないようにしている」と言いますが、そうした夫の姿を心配してか妻から手紙をもらうことも。素直に感謝の気持ちが伝えられない“はにかみ屋”の一面も。
提供:広島リビング新聞社
(「リビングひろしま」2015年11月7日号掲載)