このひとにあいたい 【話題人登場】
仕事をしながらでも子育てがしやすい町を目指す
特定非営利活動法人 キッズNPO理事長 吉本卓生(よしもとたくお)さん

特定非営利活動法人 キッズNPO理事長 吉本 卓生(よしもとたくお)さん
子どもたちに生きる力を―。そのためには、「自然の中で体験を積み重ねることが大切です。五感をフルに使って、日々変わっていく天気や季節、生命が感じられる保育を目指しています」と熱く語る吉本卓生さん。
ゲーム画面に没頭する子どもたちを見て“自然に触れさせてあげたい”との思いで取り組んだ7年間。気が付くと活動の幅は広がっていました。現在、廿日市市で“キッズNPO”を立ち上げ、託児所、認可保育園、学童保育園等を経営。0歳から小学生までを預かり、自然体験活動なども行っています。
こうした活動が評価され、今年、広島青年会議所が行う「Hiroshima Awards」でひとづくり賞と特別賞をダブル受賞しました。
受賞に至った背景には、ワーク・ライフバランスの実現に向けた活動も。「企業、保護者、保育施設者それぞれが、協力・努力して、働きやすい環境づくりを行いましょう」と呼び掛けます。
吉本さんには辛い過去があります。子どもが園に通うことで病気をもらい、そのたびにお母さんが仕事を休むことになり、結局、仕事を辞めざるをえなくなりました。「施設でできることは何かを考え、病児保育、延長保育、早朝保育など、企業の働き方に合った保育サービスを提供することを宣言しました」と吉本さん。さらに、商工会議所の青年部に入会して、直接企業の人事担当者にワーク・ライフ・バランスの必要性を訴えたり、行政や経済団体へイクボス宣言(組織のトップが職場環境を変えることを宣言)の推進を行ったりと、信念を行動で表しています。
PROFILE
1980年12月生まれ、廿日市市佐伯町出身。保育士、幼稚園教諭で、託児保育にこにこキッズ、にこにこアフタースクール、ネイチャーフレンド自然学校、ナチュキッズ、にこにこの森保育園の5つを経営。今年、地域のために活動している若者を顕彰する「HiroshimaAwards2015」(広島青年会議所主催)で表彰を受ける。ワーク・ライフ・バランスの推進を積極的に唱える
提供:広島リビング新聞社
(「リビングひろしま」2015年9月19日号掲載)