教えて! 災害後の行動ウソホント

広島県危機管理監
危機管理課主任専門員
伊藤俊巳さん
実際に災害が起こった後の行動について、広島県危機管理監・危機管理課主任専門員の伊藤俊巳さんが、気になる疑問に答えてくれました。
【Q1】地震のときはドアを開けろとよく聞くけど、
避難するときは開けっ放しにしておくべき?
【A】 震災時は、まず自分の身を守ってください。揺れが収まったら、ドアや窓を開けて、扉がゆがんで閉じ込められるのを防ぎましょう。避難所へ移動するときは、盗難防止のために施錠を。玄関や窓などに、家族や近隣の人が分かるよう、安否や避難先などの伝言を残しましょう。
ワンポイント(1)
家族や友人に安否や避難先を連絡するためには、災害用伝言ダイヤル171や災害用伝言板Web171、SNS(FacebookやLINEなど)が有効
【Q2】ペットは一緒に避難できる? 逃がしたほうがいいってホント?
【A】 避難所は共同生活の場所なので、ペットが受け入れられるかどうかは、避難所の環境によって変わります。一緒に避難できる時は、リードをしっかり握る、キャリーバッグへ入れるなど、安全を確保しましょう。ペットを放すのは、人への危害防止や生活環境保全のためにやめましょう。困ったときはペット相談窓口(下図参照)に連絡し、一時預かりの相談を。また普段から、マイクロチップや迷子札で飼い主が分かるようにする、非常用持ち出し品の準備など、防災対策を心掛けましょう。
東日本大震災では、避難所にペットがいたことで心が癒やされた、という話もある一方、鳴き声がうるさいなどの問題も発生。地域の人と良好な関係を築くため、日頃から防災について話し合ったり、ペットのしつけや予防注射を実施して、動物が苦手な人への配慮についても考えておきましょう。
ワンポイント(2)
ペット相談窓口/
広島市は、TEL:082(243)6058(広島市動物管理センター)
廿日市市・安芸郡府中町は、TEL:0848(86)6511(広島県動物愛護センター)
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【Q3】地震後に火事が起こると聞くけど、原因はガス漏れ?
【A】 地震後の火事の原因の多くは「通電火災」で、ガス漏れが重なる事で、大災害につながる危険があります。地震の影響で電気の供給がストップした場合、数時間から数日に掛けて通電しますが、電気機器の上に燃えやすいものがあったり、電気コードのショートで火災が発生。阪神・淡路大震災ではこの火災が全体の8割を占め、電気ストーブや白熱スタンド、オーブントースターなどが火元になりました。
ワンポイント(3)
避難の際には、ブレーカーはもちろん、ガス栓も締めましょう。地震時にブレーカーが落ちるグッズも販売されています
提供:広島リビング新聞社
(「リビングひろしま」2014年8月30日号掲載)